軍用地の魅力のひとつが、毎年少しずつ積み上がる借地料です。本土復帰以来ほぼ毎年上がり続けてきた背景には、国と地主側の交渉という独特の仕組みがあります。その理由と、投資にとっての意味を解説します。
沖縄の軍用地に国から支払われる借地料は、1972年(昭和47年)の本土復帰以降、ほぼ毎年少しずつ引き上げられてきました。全体平均ではおおむね年1%前後の上昇が続いており、たとえば令和7年度の借地料は、概算要求ベースで前年度より約1.11%の増額とされています。
1%と聞くと小さく感じるかもしれません。しかし、これが「毎年」「数十年」積み重なると、効果は決して小さくありません。人気の高い嘉手納飛行場では、過去20年間で借地料がおよそ25.6%上昇したとされており、長期保有による“じわじわ効果”の大きさを物語っています。
下図は、借地料を「初年度=100」とし、年1%で上昇した場合のイメージです(あくまで概念図で、実際の上昇率は年・施設により異なります)。
借地料を100とし、年1%で上昇した場合のイメージ(複利)。20年で約2割増。
軍用地の借地料は、国(防衛省・沖縄防衛局)が一方的に決めるものではなく、地主側との交渉で決まります。その地主側の窓口となるのが、各地域の地主会を束ねる「土地連」(沖縄県軍用地等地主会連合会)です。
流れはおおむね次の通りです。
こうした毎年の交渉の“落としどころ”として、全体で年1%前後の上昇が続いてきた、という構図です。周辺地域の地価上昇や路線価の動き、宅地・宅地見込地の単価格差の是正なども、値上げ要求の材料となります。
借地料の上昇は、軍用地投資において“ダブルの効果”を持ちます。
保有しているだけで、受け取る借地料が少しずつ増えていきます。再投資の手間もなく、文字どおり“ほったらかし”で収入が積み上がります。
軍用地の売買価格は「年間借地料 × 倍率」で決まります。つまり、借地料そのものが上がれば、倍率が変わらなくても売買価格は上昇します。さらに人気エリアでは倍率自体も上昇傾向にあるため、価格は二重に押し上げられてきました。価格の仕組みはこちら
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