「借り主が国」という安定資産・軍用地。基礎から価格と倍率の仕組み、基地の選び方、相続税対策、費用や融資、リスク、購入のチェックポイントまで、はじめての方が納得して判断できるよう徹底解説します。
軍用地投資は、株式やアパート経営とは性質が大きく異なります。借り主が国であることによる安定性が最大の魅力ですが、流動性や返還リスクといった固有の注意点もあります。本ガイドは、はじめて検討される方が「仕組み・選び方・税金・リスク」を一通り理解し、納得して判断するための完全ガイドです。良い面だけでなく、注意点も正直にお伝えします。
軍用地とは、米軍基地や自衛隊施設として国に提供されている土地です。土地そのものは個人や法人が所有しており、国(防衛省・沖縄防衛局)が地主から借り上げて、毎年「借地料(軍用地料)」を支払っています。投資家はこの借地料を受け取る権利ごと土地を購入します。
現金資産の安定運用先を探す方、相続税対策をしたい資産家、長期でコツコツ保有したい方など。沖縄県外の投資家も多く、遠隔での購入が一般的に行われています。
本ガイドには「倍率」が2回登場します。①売買の倍率(年間借地料×倍率=購入価格)と、②相続税の評価倍率(固定資産税評価額×評価倍率=相続税評価額)です。同じ言葉でもまったく別の数字・別の計算式なので、混同しないようご注意ください。
軍用地投資の魅力は「安定」の一言に尽きます。ただし利回りは高くなく流動性も限られるため、性格を理解して保有することが大切です。
借り主が国・米軍のため借地料が途切れにくく、修繕・退去コストも不要です。
本土復帰以来ほぼ毎年改定され、長期保有でじわじわ収益が積み上がります。
相続時の評価額が市場価格より低く抑えられ、節税効果が期待できます。
嘉手納など安定基地は金融機関の評価も高く、資産としての信用力に優れます。
軍用地は利回り自体は高くなく(目安1.5〜2.5%前後)、売りたいときにすぐ売れるとは限りません(流動性が低い)。「安定だが派手には増えない」資産という性格を理解したうえで保有することが大切です(詳しくは「7. リスクと注意点」)。
軍用地の価格は、たったひとつのシンプルな式で決まります。「いくらが妥当か分かりにくい」という心配は要りません。
例:年間借地料 450,000円 × 倍率 55倍 = 購入価格 24,750,000円
利回り(=年間借地料 ÷ 購入価格)は倍率と逆の関係です。倍率が高いほど価格が高く、利回りは低くなりますが、その分だけ安定性・換金性が高まります。安定を取るか、利回りを取るかが選択のポイントです。
直近の売出中の公開物件をもとにした倍率の目安です(2026年6月時点・当社調べ)。基地によって安定度・倍率・利回りの傾向が異なります。
| 基地・地区 | 安定度 | 倍率目安 | 利回り目安 |
|---|---|---|---|
| 嘉手納飛行場 | 特A | 45〜58倍 | 1.7〜2.0% |
| 嘉手納弾薬庫地区 | A | 43〜50倍 | 2.0〜2.3% |
| キャンプ・ハンセン | A | 43〜45倍 | 2.2〜2.4% |
| トリイ通信施設 | A〜B | 約50倍 | 2.0〜2.2% |
| 普天間飛行場 | 返還計画 | 約48倍 | 要確認 |
| 牧港補給地区(キンザー) | 返還計画 | 約57倍 | 要確認 |
※ 実際の取引倍率・利回りを保証するものではありません。基地別の特徴は 基地ガイド で詳しく解説しています。
軍用地選びで最も大切なのが「返還リスク」です。基地が返還されると借地料が止まるため、将来も使われ続けるエリアほど安心です。沖縄では、おおまかに嘉手納より北=返還予定なしで安定、嘉手納より南=返還計画の対象が点在という構図です。
お客様のタイプ別おすすめ(はじめて/利回り重視/相続対策/融資活用 など)は 基地ガイド にまとめています。
極東最大級の米空軍基地。返還の可能性が極めて低く、買い手の需要が常に高い。換金性・銀行担保評価ともに最高クラスで、軍用地のなかでも別格の人気。「とにかく安定を」という方の王道です。
広大な弾薬庫エリア。返還予定がなく安定。嘉手納飛行場に次ぐ人気で、価格と安定性のバランスが取りやすく、小口・手頃な物件も出やすいエリアです。
北部の海兵隊演習場。安定しつつ嘉手納より利回りが取りやすく、「安定と収益の両立」を狙う方に人気。比較的取得しやすい価格帯の物件もあります。
読谷村の陸軍通信施設。返還予定はなく、中部で安定資産を探す方の選択肢に。
返還・移設が進められている代表的な基地。跡地利用や公共団体による先行取得の対象となることがあり、状況が大きく動く可能性があります。購入には特に慎重な確認が必要です。
浦添市の補給基地。国道58号沿いの好立地で跡地利用の将来性が注目される一方、返還計画の対象で将来の借地料停止リスクを織り込む必要があります。
返還計画のある地区は、価格が割安に見えても将来の収入停止リスクがあります。投資判断は最新の計画と専門家の助言を踏まえて慎重に行ってください。各基地の返還状況は 基地ガイド をご覧ください。
軍用地が資産家に選ばれる大きな理由が、相続税の節税効果です。現金や一般の不動産で持つより、相続時の「評価額」を圧縮できる可能性があります。
使用期限の定めのない借地権は割合40%とされ、評価額は売買価格の概ね40〜50%程度に抑えられることがあるとされます。
たとえば現金5,000万円を相続するとそのまま5,000万円が課税対象ですが、同額で軍用地を購入しておくと、相続税の評価額はその一部にとどまる可能性があります。「資産価値は保ちつつ、相続税の評価だけを下げる」のが狙いです。詳しくは 相続税対策ページ(2026年度税制改正の動向も)をご覧ください。
ここで使う評価倍率(固定資産税評価額×評価倍率)は、購入価格を決める売買の倍率とは別物です。評価方法・割合は一般情報で、実際の効果は土地ごと・個別事情で異なります。必ず税理士にご確認ください。
2026年度改正で、相続前5年以内に取得した貸付用不動産を時価で評価する見直しが行われました(2027年1月1日以降の相続・贈与に適用)。主にタワーマンション等の駆け込み・レバレッジ型の節税が対象で、軍用地そのものは名指しされていません。5年以上保有すれば従来評価が維持されるため、長期保有を前提とする軍用地とはむしろ相性のよい改正です。軍用地が対象に含まれるかは施行に向けた政省令・通達の確定待ちの部分があり、必ず税理士にご確認ください。
「現金で持つ」場合と「軍用地で持つ」場合で、相続税の評価額がどう変わるかをサンプルで比較します(イメージ用の試算)。
| 持ち方 | 内容 | 相続税評価額 |
|---|---|---|
| 現金で相続 | 相続財産(現金)5,000万円 | 5,000万円(満額) |
| 軍用地で相続 | 5,000万円で購入 × 評価圧縮(約45%水準) | 約 2,250万円 |
この例では評価額を約2,750万円圧縮。相続税は評価額に税率を掛けて計算するため、課税対象が下がるほど納税額も下がります。さらに保有中は毎年の借地料も受け取れます。
※ 圧縮率はサンプルです。実際の評価額は固定資産税評価額・評価倍率・借地権割合・各種特例の適用により異なります。必ず税理士にご確認ください。
ご相談から保有開始まで、おおむね以下の6ステップです。遠隔での購入にも対応します。
予算・目的(収益/相続対策)・希望エリアをお伺いします。
倍率・年間借地料・利回り・返還状況を明示した物件をご提案。
内容にご納得のうえご契約。手付金の授受を行います。
残代金の支払いと登記。遠隔での決済にも対応します。
借地契約の名義変更を支援。次回から借地料を受領できます。
毎年の借地料を受け取りながら、長期で安定保有します。
購入価格のほかに、税金・登記費用などの諸費用がかかります。目安として購入価格の概ね5〜7%程度をみておくと安心です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 不動産取得税 | 取得時に一度かかる税。評価額をもとに算定。 |
| 登録免許税・登記費用 | 所有権移転登記の税(評価額×2%が原則)と司法書士報酬。 |
| 仲介手数料 | 仲介の場合。価格×3%+6万円+消費税(400万円超)が上限。 |
| 印紙税ほか | 売買契約書に貼付する印紙代など。 |
| 諸費用の目安合計 | 購入価格の概ね 5〜7% |
軍用地は、安定基地を中心に金融機関の担保評価が高く、融資を活用した購入もしやすい資産です。担保力が高い理由は、収入が安定(借り主が国)、換金性が高い(人気基地は買い手が多い)、価格が読める(倍率で評価が明快)の3点です。
購入方法は、諸費用を含めて自己資金でまかなう現金購入(相続対策として現金を組み替える目的に向く)と、安定基地で受けやすいローン購入があります。自己資金とのバランスで資金計画を設計します。
融資の可否・金利・割合は、金融機関の審査やご本人の属性、対象基地により異なります。返還計画のある地区は評価が慎重になる傾向があります。提携先のご紹介も可能ですので、資金計画からご相談ください。
安定資産といえども、軍用地には固有のリスクがあります。買う前に必ず理解しておきましょう。当社は良い面だけでなく、注意点も正直にお伝えします。
基地が返還されると借地料が止まります。返還計画のある地区は計画と時期の見極めが必須。
買い手が限られ、売りたいときにすぐ売れるとは限りません。長期保有が前提です。
利回りは目安1.5〜2.5%前後。短期で大きく増やす投資には向きません。
将来の借地料改定や税制の変更が保証されるわけではありません。
向いている:現金資産の安定運用先を探す方、相続税対策をしたい方、長期で保有できる方。
慎重に:短期で高利回りを狙う方、すぐ現金化する可能性が高い方。
軍用地の立ち位置を、代表的な他の資産と比べてみましょう。「安定・手間いらず・相続対策」が強み、「利回り・流動性」が弱みという特徴がはっきりします。
| 項目 | 軍用地 | アパート経営 | J-REIT | 国債 |
|---|---|---|---|---|
| 収入の安定性 | 非常に高い | 空室次第 | 価格変動 | 高い |
| 利回り | 低め | 高め | 中 | 低い |
| 管理の手間 | ほぼ不要 | 必要 | 不要 | 不要 |
| 相続税の圧縮 | 期待できる | 建物次第 | なし | なし |
| 流動性(換金性) | やや低い | 低い | 高い | 高い |
軍用地は「資産を増やす」より「守りながら遺す」資産。ポートフォリオの安定部分や、相続対策の柱として組み入れるのが王道です。
物件を検討するとき、重要事項説明や資料で必ず確認したい点をまとめました。購入前のセルフチェックにご活用ください。
どんな目的で、どのように購入されているのか、典型例をサンプルでご紹介します(説明用のモデルケースで、実在の取引・金額ではありません)。
現金資産を軍用地に組み替えて評価を圧縮。資産家のAさん。安定の嘉手納エリアを中心に複数物件を購入し、税理士と連携して評価の試算まで実施。時価ベースの資産価値を保ちつつ相続税評価額を大きく圧縮、保有中は毎年の借地料も受領。
預金代わりの安定運用として遠隔購入。関東在住のBさん。低金利の預金に代わる安定収入源として、来県せずオンラインで嘉手納弾薬庫地区の物件を取得。滞納・空室の心配なく毎年安定して借地料を受領。
安定と利回りの両立を狙ってハンセンを選択。収益性も少し欲しいCさん。返還予定がなく利回りが取りやすいキャンプ・ハンセンの物件を選択。嘉手納より利回りを確保しつつ安定性も維持し、長期保有の方針で取得。
可能です。郵送・オンラインでのやり取りや遠隔決済に対応しており、県外の投資家の購入実績も多数あります。
物件により幅がありますが、数百万円台から検討できるものもあります。ご予算に合わせてご紹介します。
名義変更後、防衛局から毎年(原則年1回)指定口座にお支払いされます。手間のかかる管理業務は基本ありません。
評価額の圧縮による効果が期待できますが、効果は土地・個別事情で異なります。税理士と連携して具体的に試算します。
可能です。とくに嘉手納など安定基地は買い手が多く換金しやすい傾向です。当社が売却までサポートします。
安定基地は融資を受けやすい傾向ですが、可否・条件は金融機関の審査と対象基地によります。資金計画からご相談ください。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 軍用地 | 米軍基地・自衛隊施設として国に提供されている土地。所有は民間、借り主は国。 |
| 借地料(軍用地料) | 国が地主に毎年支払う賃料。原則ほぼ毎年改定され、上昇傾向で推移してきた。 |
| 売買の倍率 | 年間借地料に掛けて購入価格を算出する係数。「年間借地料×倍率=購入価格」。 |
| 評価倍率(国税庁) | 相続税評価で使う別の倍率。「固定資産税評価額×評価倍率」。売買の倍率とは別物。 |
| 借地権割合 | 相続税評価の調整割合。使用期限の定めのない軍用地は40%とされる。 |
| 表面利回り | 年間借地料 ÷ 購入価格。倍率と裏返しの関係。 |
| 宅地見込地 | 将来宅地になりうる土地。人気が高く倍率も高めになりやすい。 |
| 返還(計画) | 基地が国へ返される(地主に戻る)こと。返還で借地料は止まる。 |
| 特A/安定度 | 返還リスクの低さ・人気を表す目安。嘉手納飛行場が最上位とされる。 |
| 名義変更(防衛局) | 購入後、借地契約の受取人を買い手に変更する手続き。 |
ここまでで軍用地投資の全体像はつかめたはずです。あとは「自分の目的・予算に合う物件はどれか」「うちの場合の節税効果は」を実際の数字で確かめるだけ。非公開物件の先行案内、税理士と連携した節税シミュレーション、しつこい勧誘なしのご相談まで、お気軽にどうぞ。
ご予算・目的(安定/利回り/相続対策)をお聞きし、最適な基地・物件を無料でご提案します。